自分がうつ病と診断されてから、もう10年近く経ちます。現在は寛解していますが、定期的に心療内科に通院し投薬を受けています。
そんな自分がうつ病になって感じたことの中で、『良かった』と思えることは何かと考えてみました。どのような事柄にも良い面と悪い面があるので、今回はうつ病になった後に変わったことで、プラスの面に焦点を当ててみました。
ただ決してうつ病になった方がいいよ、ということでは絶対にありません。現在辛い環境にいる人やうつ病の診断を受けて苦しんでいる人は、読まない方がいいと思います(症状が軽快してきた時に読むことをおススメします)。まずは休みましょう。
毎年、冬期は調子が悪く『なんでこんなに調子が悪いんだろう』と、うつ病になった自分に嫌気がさしてきます。
そんな辛いなか、うつ病になってから変わった(と思っている)ポジティブな側面があります。主に考え方が変わり、人生を生き抜く中で必要な考え方が身に付いてきたと思っています。
結論から言うと、下記のような考え方が自分の中で変わりました。
- 死を意識することで(自殺したいとかではありません)、毎日を大切に生きようと思えるようになった
- 周りの人への感謝の気持ちが増えた
- 今生きていて家族が周りにいることは、有難いことと思えるようになった
ざっくりまとめると『周りの人に感謝して、日々を大切に生きよう』と思えるようになりました。この考え方は、円滑な人間関係、ストレス対処などさまざまな面で役に立っています。
死を意識することで、毎日を大切に生きようと思えるようになった
自分に希死念慮(自ら命を絶つことについての考えや反芻のこと)はありませんでした。しかし、抑うつ状態の強い時は『この苦しみから逃れるためなら、何をしてもいい。』という考え方になったこともあります。
実際に1日ほど仕事を無断欠勤して、スマホも持たずただひたすら、不安が紛れるまで歩いていたということがありました。その時は、普段は無断欠勤などしない自分が連絡もなくいなくなったので、職場の人と家族を巻き込んで大騒動になりました(消防と警察も出動してしまいました、すみません)。
この時に感じたことは『死は遠いいものではなく、すぐそこにあるもの』ということでした。ふらふら歩きながら夜の山の中にいたのですが、その時の山の暗さと孤独感は自分に死を感じさせました。
結局自分はその時に怖くなって下山し、近くのホテルに泊まって帰りました。もしあのまま山の中にいたら死んでいたかも、と考えることもあります。
令和4年の男性の平均余命は、81.05歳(令和4年簡易生命表の概況:厚生労働省)です。でも、誰もがこの年齢まで生きれるわけではありません。明日死ぬ可能性は誰にでもあるのです。
これは、決してマイナスな考え方ではないです。
明日死ぬ可能性もある➡毎日を最後の日のように大切に生きる
このように自分は考えれるようになりました。時間はその人にとっての命であり人生です。その時間を誰と過ごすか、何をして過ごすか、何を考えて過ごすか、今一度考えてみるのはいかがでしょうか。
少なくともブラック企業に勤めて、自分を否定する場所に居続ける時間はあなたにとってないはずです。
参考書籍:『明日死ぬかもよ』著ひすいこうたろう
周りの人への感謝の気持ちが増えた
自分は『抑うつ状態でどうしようもない状態』から、家族のおかげで戻ってくることが出来ました。大げさではなく、家族がいたから今生きているのです。
これからの人生は、自分が幸せになるだけでなく、家族にも幸せを感じながら過ごして欲しいと思っています。
そんな家族や辛い時に助けてくれた人に対しては、感謝しています。
人に感謝の気持ちを持つメリットをいくつか挙げてみましょう。
- ストレス軽減、不安を和らげる(抑うつを防ぐ)
- 熟睡できる
- 心臓と脳の機能が向上する
- 免疫力を高める
- 逆境から立ち直れる
- 寿命が延びる
たくさんありますね。抑うつを防ぐということに関しては、今は病気ではない状態の人にとって重要です。うつ病と診断をうけた自分にとっても、抑うつ状態を軽減できることは非常に助かります。
以上のことから、感謝の気持ちは周りにも自分にとっても非常に重要な感情です。お互いに感謝の気持ちを持つことで、良好な人間関係を築くことができるでしょう。
自分は不安やイライラが自分の中で湧いてくるときに、『そのイライラの対象になっている人に対して、感謝できることはあるか』と考えるようにしています。
例えば・・・
子どもにイライラ➡産まれてきてくれて、ありがとう
職場の人にイライラ➡自分が困ったときに助けてくれて、ありがとう
このように感謝することで、その場のイライラが軽減されます(感謝できない人もいますが・・・)。
自分のためにも、周りの人に感謝の気持ちを持ってみませんか。
参考書籍:GRATITUDE 毎日を好転させる感謝の習慣 著:スコット・アラン
今生きていて家族が周りにいることは、有難いことと思えるようになった
テレビのニュースなどで、戦争や交通事故でたくさんの人が亡くなっているという報道がされます。そういった報道を見るたびに、今自分が生きていて家族がまわりにいることは、有難いことだと思うようになりました。
普段はあまり意識しませんが、自分が病気などの特殊な状態に触れると、当たり前だと思っていたことが当たり前ではなくなります。
自分の健康も、家族など大事な人が周りにいることも、当たり前ではなく有難いことなのです。
なにも意識して生活していないと、当たり前のように日々は過ぎ去ってしまいます。自分はうつ病になったことによって、日々の生活が当たり前ではなく有難いことだと気づけました。
症状がどれだけ寛解してきても、この気持ちは一生忘れずに生活したいと思っています。
今うつ病で苦しんでいる人も、健康な人も、ちょっと落ち込んでいる人も、日々の当たり前と思っていることに感謝をして生活してみてはいかがでしょうか。きっと気持ちが楽になると思いますよ。
今日は『うつ病になって変わった考え方』というタイトルで、プラス面に焦点を当ててみました。こんな気持ちになれるのも、自分の症状が寛解しているからこそです。今うつ病を治療していて、症状の優れない方は、まずは治療と休息を最優先して下さい。
自分は再発と寛解を繰り返しながらでも、少しずつですが状態は上向いてきています。今うつ病に苦しんでいて辛い方が、少しでも良くなることを祈っています。
そして今はうつ病などの病気ではない方は、自分を否定する会社や人がいる場所では我慢しないでください。理不尽に耐えた先に成長はありません。あるのは破滅です。
最後になりますが、自分も再発で抑うつ症状が出たときは『なんで自分がこんな状態に・・・』と毎回落ち込んでいます。病気には間違いなく、ならない方がいいです。それはお忘れないように。
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