現在、抑うつ症状を再発し、仕事を昨年休職。そして退職した管理人のハジメです。今は日々うつうつとしながら、症状の回復を待っています。
そんな自分が、抑うつ状態になってしまった時に必ず読む本があります。X(旧Twitter)でもたくさんのフォロワーがいる、testosteroneさんの書かれた『ストレスゼロの生き方 心が軽くなる100の習慣』です。
この本を読んでると、ネガティブになっている自分の気持ちを落ち着けることが出来ます。症状がある時は、何周も読んでしまいます。
今日の記事は、この本の第3章『逃げる』について、自分の実体験に照らし合わしながら紹介します。現在、こんな方は是非読んでみて下さい。
- 今の職場が辛いが、短期間では辞められない
- 仕事が辛いが、生活できなくなるので無理している
- 仕事内容はやりたい事だが自分を否定する人がいる
結論から言うと、心身を壊して大変なことになる前に早く逃げましょう!体や精神は一度壊してしまうと取り返しが尽きませんし、もう病気になる前の状態には戻りません。本書の第3章の冒頭に書いてある言葉を引用します。
ヤバくなったら逃げろ。逃げるべきタイミングで逃げないと健康、精神、尊厳のどれかぶっ壊されるぞ。一度ぶっ壊れるとなかなか元に戻らんから気をつけろ。勘違いするなよ。『逃げる₌負け』じゃない。先を目指すために、勝つために一時撤退する立派な戦略なのだ。胸を張って堂々と逃げろ。
引用:書籍『ストレスゼロの生き方 心が軽くなる100の習慣』P109
実体験からも完全に同意です。まだ余力のある人はすぐに逃げろ!
管理人の例:修行と思って我慢したらうつ病になって心身崩壊
自分の仕事は医療系の専門職で、継続的な勉強や訓練が必要な仕事です。自分は北海道出身ですが、勉強のためと思って、東京の職場に就職しました。その頃はやる気満々!休みの日もセミナーなどに参加して、日々成長できるように努力していました。
変化が訪れたのは東京で転職したときです。その職場は、給料は安いが業界で一線級で働いているスタッフのいる職場でした。
その時に自分は一つ問題を抱えていました。セミナー詐欺にあい、数十万単位のお金をだまし取られ生活が苦しくなっていたのです。人間不信にも陥り、ストレスを感じていました。
そんな時に転職し、新しい職場に入りました。最初は順調に人間関係も仕事も行えていましたが、少し経つとあるスタッフからきつく当たられるようになりました。社長の次くらいの立場のスタッフでしたが、今でも理由は謎です。
そして、働きつつも詐欺の返金を求めるために、休みの日に無料の法律相談などを受けて行動していました。あとから振り返れば着実にストレスが積み重なっていたと思います。
自分がいた業界あるあるなのですが、やりがい搾取が横行しています。基本的にやりたい人が入って勉強して、人の役に立ちたいという人が多いので、低賃金や長時間労働が常態化しています。ちなみに職場にタイムカードはなく、残業代という概念がありませんでした。
自分の場合は早番の日は朝6時半ころに家を出て、家に帰るのは10時半頃でした。月末になると書類仕事で忙しくなるので、0時を超えることも珍しくなかったです。
帰宅中に突然涙が止まらなくなる 受診しうつ病と診断
そんな生活を続けていると、自分の身体に異変が起きてきました。
- 物忘れが多くなる
- 仕事の不安で眠れなくなる
- ミスが増える
- 人の言っていることが理解できない
このような症状が出てきて、仕事が上手くいかなくなってきました。そして、ある日帰宅中に歩いていると、突然涙が止めどなく流れてきました。これはおかしいと思い、後日精神科を受診し『うつ病』と診断を受け投薬治療を開始しました。
今思えばもうこの状態で休職や退職をして、すぐに逃げ出すべきだったと思います。しかし、この時の自分は違いました。
- 自分のやりたい事をやっているのだから、我慢して頑張るべき
- まだ何も得られていないから一人前になるまでは頑張ろう
- 職場に入ったばかりで、すぐに辞めたら次の職場も上手くいかないかも
このような固定概念に囚われて、現状維持をするという選択をしました。職場にも病気のことは伏せて、なんとか日々の業務をこなしました。
無理がたたって精神崩壊!逃走劇の末退職へ
うつ病の診断を受けてから、1年10カ月ほど経過した時についに限界が訪れました。その直前に上司に『うつ病を患っていてもう限界なので退職したい』と相談しました。そして、1∼2カ月後に退職するように話は進んでました。
そんな矢先に事件がおきます。ある日職場から帰宅中に、とてつもない不安に襲われました。動悸が止まらず、強い焦燥感・不安が収まりませんでした。
何とか家に帰って食事をして、寒いからだと思い風呂入って眠ろうとしました。しかし、不安は強まるばかりで、夜中の4時頃に家を飛び出して歩き続けました。以前不安を感じていた時に、疲れるまで歩いたら少し収まったからでした。
しかし、どれだけ歩いても不安は消えず、朝を迎えて出勤の時間が来ました。その時に自分は近くの山の中にいました。そして、そのまま逃げるように歩き続けました。
自分はよく人から、真面目だねと言われることが多かったです。無断欠勤することは、それまでの人生で一度もありませんでした。この日が人生初の無断欠勤でした。
そのうち、もうどうでも良くなってきて、近くの観光スポットにもなっている山の山頂まで歩きました。山頂でただぼーっとして時間を過ごしました。そして、夜になり周りの登山客も誰もいなくなりました。
山の夜は本当に真っ暗です。自分はその闇に『死への恐怖』を感じました。その時強烈に感じたのは、家族や彼女(今の妻です)の所に帰りたいという気持ちでした。今度は『死への恐怖』から逃げるように、下山しました。
一日失踪して家に帰ってびっくりしたのは、帰ったら窓ガラスが割れてることでした。なんと警察と消防が出動して、窓を割って部屋に入っていたのです。スマホは部屋に置いたままだったのですが、着信とLINEが人生で見たこともないほど来ていました。
その後連絡をくれた人や、職場に自分が生きている事を連絡しました。後日親が北海道から迎えに来て、実家に帰りそのまま退職しました。今自分が生きているのは家族のお陰です。
一度壊れたものは元には戻らない 身体・精神・自尊心
実家で数カ月ゆっくりしていると、次第に気力や体力が回復してきました。趣味のバスケや筋トレも再開して、働けるかもという気持ちも湧いてきました。そして、同業種ですが以前の職場より就業時間や休みも取れる職場に就職しました。
再就職してみると意外と問題なく仕事出来ました。その時はまた自分は働けるんだと、嬉しかったことを覚えています。彼女とも就職して、ある程度安定したら同棲を始めようと言っていたので、すべてが順調に進んでいると思っていました。
10月頃に職場の近くに引っ越して、彼女と同棲を始めました。最初は全然問題なく生活出来ていたのですが、1カ月ほどたって冬に差し掛かった頃でした。突然身体が鉛のように重くなり、朝起きるのもやっとの状況になってしまったのです。
うつ病の症状の再発でした。その時の落胆は今でも覚えています。長いトンネルを出たと思ったら、また真っ暗なトンネルに入ってしまった感じです。
それからは症状の回復と再発をかれこれ9年程繰り返しています。今回の再発では、結局退職することになったので、まだまだ根は深いです。
一度心身を壊すと、ビックリするくらいストレス耐性が低くなります。自分は発病前は他の人よりは、ストレス耐性が強いほうだと思っていました。自分の過去の経歴は、他の人が見たら精神力が強いと感じるでしょう。
- 学生時代はずっと運動部(全道大会出れるくらいはしっかりやってた)
- 陸上自衛隊に4年間勤務。教育隊で表彰されるくらい頑張りました
- 3年間医療専門学校に通いながら昼間はフルタイムでアルバイト
こんな感じでも全然余裕でした。むしろすぐ弱音を吐く人を、精神力弱いなと思ってみていました(今思うと恥ずかしい)。今は弱音を吐かない人ほど、折れてしまった時に弱いと感じます。
今は冬には基本的に気力がなくなり、生活で大きな変化がある時は寝込んでしまいます。世間的には、精神力が弱い人になりました。多分もう前のようになることはないでしょう。
弱くてもいい 逃げてもいいと思えるか
うつ病になってからの自分が重要だと思うことが2つあります。
- 弱い自分を受け入れられるか
- 逃げることは悪いことではないと思えるか
まずはうつ病なるまで頑張った自分を受け入れましょう。間違っても『こんな自分は情けない』とは思わないで下さい。あなたは十分すぎるほど頑張りました。
そして、世の中の常識や理不尽さから逃げることは悪ではないと認識しましょう。『逃げ癖がつくから』と我慢することだけはさけて下さい。世の中は広くていろんな逃げ場所があります。きっとあなたに合う場所はあります。
今の自分は退職して、職場から逃げました(パワハラ経営者から)。でも我慢していたら、もっと大変なことになっていたと思います。そして、原因になった職場、人はあなたのことを『メンタル弱い奴』くらいにしか思ってません。
今我慢している人、自分の居場所は他にはないと思っている人、そんなことはありません。逃げて自分に合った場所を見つけて、幸せな生活をしましょう。
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