書籍紹介『失敗の科学』~いつも失敗しないか不安な人へ~失敗こそ成長の糧!

不安への対処法

私は不安症でした。以前通院していた、病院で『不安障害』と診断されたこともあります。

もちろん、不安を感じることは悪いことばかりではありません。

しかし、関東で『うつ病』を患った自分は、極度の不安にさいなまれていました💦

  • 自分は何か失敗していないのか?
  • 間違った方向に進んでいるのではないのか?
  • 失敗したら取り戻せない・・・

このような不安の感じ方は、あまりいい結果を生みません。

そこで、私が始めたことは一つ!

本を読むこと!

不安に感じていることを、しっかりとした知識で捉えることで、必要以上の不安を感じなくなります!

今日は『不安を感じやすいあなた』『失敗が怖いあなた』のためになる本を紹介します!

その本の名前は『失敗の科学』

こんな方に最適な本です!

  • いつも失敗していないか不安な人
  • 失敗しないことが優秀だと思っている人
  • ニュースで失敗した人を見た時に『こいつはけしからん!』と思ってしまう人

今日の記事は、この本を参考に書きました!

この記事を読むことで

今日の記事を読むメリット
  • 失敗に対して肯定的になる!
  • 成功には失敗が必要だということがわかる!
  • ニュースで『失敗した人をつるし上げる』ことが、いかに無意味なことかわかる!

今日の記事で、もし『この本読んでみたい』という方は、是非本書を読んでみて下さい👍

いつも失敗しないか不安な人へ!~書籍【失敗の科学】~

著者は、イギリス人のマシュー・サイドさん

この方の経歴が、なんとも凄いんです😮

出典:卓球王国

著者:マシュー・サイドの経歴
  • 1970年イギリスで、パキスタン出身の父とウェールズ人の母の元に産まれる
  • オックスフォード大学哲学政治経済学部を首席で卒業
  • 卓球選手として活躍し、イングランドチャンピオンとして2度のオリンピックにも出場。守備型のカットマン!
  • 英『タイムス』紙の、コラムニスト、ライター。テレビでは、リポーターやコメンテーターなども務める(BBC、CNN)
  • 著書に、世界的ベストセラーの『失敗の科学』『才能の科学』など

※参照:Forbes Japan

まさに『文武両道』を地で行くような人です!

今日は、書籍の内容を一部引用して『失敗に対しての、あなたの考えを変えていきます』

最初に、簡単に『失敗の科学』の紹介をします!

医療業界、航空業界、検察、経済学者、プロスポーツチームなどの、異なるたくさんの業界で『失敗から学習できる組織『失敗から学習できない組織』が存在します。

その違いは何か?優秀だから失敗から学べるのか?

そんな疑問に、オックスフォード大学を首席で卒業した著者が、さまざまなデータを用いて説明してくれます!

内容が難しそうに感じるかもしれませんが、実際の例をわかりやすく紹介してくれるので、小説を読むような感じで読み進めることができます!

それでは次章から、書籍の内容を一部引用して、紹介していきます!

航空業界と医療業界!失敗をうまく生かしているのは航空業界

本書の冒頭で紹介されている業界は、医療業界です。

イメージとして『絶対に失敗が許されない業界』です!

しかし、実際はどうなのでしょうか?🤔

本書に書いてあるデータを一つ紹介します。

2013年、『Journal of Patient Safety(患者安全ジャーナル)』に掲載された論文では、回避可能な医療過誤による死亡者数は年間40万人以上にのぼると算出された(医療過誤の内訳は、誤診、投薬ミス、手術中の外傷、手術部位の取り違え、輸血ミス、転倒、火傷、床ずれ、術後合併症など)。

引用:書籍『失敗の科学』

とんでもない数字ですね💦

この数は『心疾患』『がん』に次ぐ、アメリカの三大死因の第3位にランクインします(薬局、個人病院など、調査が行き届きにくい死亡事例はこのデータに含まれていない)。

そんな医療業界は失敗と、どう向き合っているのでしょうか?

医療業界の失敗との向き合い方!自分の治療は正しい?

まずは、この用語が重要になります!

クローズド・ループ現象

『クローズド・ループ』『オープン・ループ』はもともと制御工学で用いられる用語だそうです。

本書では意味が異なり、クローズド・ループとは『失敗や欠陥にかかわる情報が放置されたり曲解されたりして、進歩につながらない現象や状態を指す。』とのことです。

逆にオープン・ループ『失敗は適切に対処され、学習の機会や進化がもたらされる。』ということになります。

本書では、医療業界は『クローズド・ループ現象』に陥っていると書いてあります!

例えとして出てくるのは、西暦2世紀のギリシア。当時の医学者、ガレノスの広めた『瀉血(しゃけつ)』という治療法(血液の一部を抜き取る排毒療法)を中心に紹介しています!

出典:ウィキペディア(ガレノス)

現代の感覚で言うと『血を抜くなんて大丈夫?』と思われるかもしれませんが、全然大丈夫ではありません💦

『瀉血』は病弱な患者から、さらに体力を奪いその命を危険にさらしました。

しかし、『瀉血』は当時、最高の治療法としての評価を得ていました。

このような状態になった問題点は単純で、当時最高の知識をもった学者が広めた、最高の治療法を誰も疑うことをしなかったのです。

瀉血を受けた患者が、良くなっても、悪くなっても瀉血は肯定されました。

瀉血をうけて患者が良くなった場合
・『瀉血』で治った!最高の治療法だ!

瀉血をうけて患者が死亡した場合
・よほどの重病だった。奇跡の瀉血でも救うことはできなかった・・・

これでは、とても正しい治療効果を検証することはできないでしょう。

『そんな、昔の話をされても・・・』と思う方もいるでしょう。確かに今は患者にとって有害な医療行為が行われることは少ないと思います。

しかし現代でも、何かの不都合が起きて患者が死亡した時に、すべての原因を病院が自ら調査することはありません。

『最善を尽くしましたが、不測の事態が起き、避けようがない状況になってしまいました。非常に残念です。』

このような説明がなされ、検死解剖や事後調査などは、あまりおこなわれないそうです。

これでは、何か失敗があったとしても、そこから学び改善していくことはできません

※本書では、現代で起きたケースでも『医療業界の失敗に対する姿勢』を紹介しています。それぞれのケースを小説のように紹介しているので、非常に読みやすいですよ!

次に『失敗から学べる組織』として航空業界を紹介します!

航空業界の失敗との向き合い方!今安全に飛行機に乗れるのは、昔の事故のおかげ?

1912年当時は、米陸軍パイロットの14人に8人が、事故で命を落としていたそうです。

米陸軍航空学校でも、創立当初は、死亡率が約25%あったそうです。

では現在の状況は?

国際航空運送協会(IATA)によれば、2013年には、3640万機の民間機が30億人の乗客を乗せて世界中の空を飛んでいたが、そのうち亡くなったのは210人のみだ。欧米で製造されたジェット機については、事故率はフライト100万回につき0.41回。単純計算すると約240万フライトに1回の割合となる。

引用:書籍『失敗の科学』

どうして、これほどの躍進を遂げることができたのでしょうか?

それは、航空業界の『失敗との向き合い方』にあります!

皆さんもご存じかもしれませんが、航空機には『ブラック・ボックス』という、破砕不可能な記録装置が二つ搭載されています(飛行データとコックピットの音声データを記録するもの)。

なにか事故が起これば、そのデータをもとに、二度と同じ失敗が起こらないように対策がされます!

ここで重要なことが二つあります!

  • 個人の責任を厳しく罰しない!
  • 失敗を報告しやすい環境を作る!

それぞれ説明します✋

一見失敗に対して厳しく罰すると、罰を受けないためにより注意して物事に取り組み、ミスの数は減りそうですよね。

しかし、この方法には問題点があります!

罰を厳しくすると『ミスを隠す人が増える』ということです。

罰を厳しく管理して罰する組織は、データで見るとミスの数は減っています。しかし、それはミスそのものが減ったのではなく、ミスが起きても罰せられるのが怖くて報告できないのです。

航空業界では『ニアミス』をすると報告書を提出するのですが、10日以内に提出すれば処罰されない決まりだそうです。

現代では航空機の多くに、設定した高度などを逸脱すると自動的にエラーレポートを送信するデータシステムが装備されていますが、データからは操縦士が特定されない仕組みです。

このように、何か失敗が起こった時に当事者が報告しやすい環境を作ることによって『失敗のレポート』を回収し、そのデータを用いて『失敗が起きない環境』へ改善するわけです!

※本書も自分も決して、医療業界を批判しているわけではありません(私も整形外科で勤務してます)💦医師も医療スタッフも『患者を助ける!』という気持ちで、真面目に勤務しております。ここでは、ミスに対しての対応の違いを比較しています。

成功している人ほど失敗に対して前向き!成功には失敗が欠かせない!

成功者ほど、驚くほど失敗に対して前向きです。

自分が好きなNBA(アメリカ・プロバスケットボールリーグ)のスター、マイケル・ジョーダンのCMにこのようなものがあります👇

プロでミスしたシュート9000本、負けゲーム約300、ウイニングショットを外したこと26回。
今までミスしてきた。何度も、何度も、何度も・・・
だから、俺は成功する。

引用:Nike cm

めちゃくちゃかっこいいですね👍

ジョーダンほどの実力を持つ選手でも失敗からは逃げられません。逆に失敗を恐れて挑戦しなければ、成功も得られないでしょう。

ここで失敗に対する、人の反応を調べた実験を紹介します(本書:273ページから引用)

2010年、ミシガン州立大学の心理学者ジェイソン・モーザーは、下記のような実験を行いました。

被験者に脳波測定用のヘッドキャップを装着。被験者が何か失敗したときに、脳内でどんな反応が起こるかを測定しました。

中でも注目する反応はふたつの脳信号
1:エラー関連陰性電極(ERN)
エラーを検出する機能に関連している。自分の失敗に気づいたあと50ミリ秒ほどで自動的に現れる反応。

2:エラー陽性電位(Pe)
失敗の200∼300ミリ秒後に生じる信号。自分が犯した間違いに意識的に着目するときに現れる反応。

モーザーは以前の実験で、ERNPeの反応がどちらも強い人ほど、失敗から素早く学ぶ傾向があるという結果が出ていました。

そこでモーザーは被験者のマインドセットを二つに識別し、それぞれのグループに分けました。

  • 固定型マインドセットのグループ
    『自分の知性や才能は生まれ持ったもので、ほぼ変えることはできない』と強く信じているグループ
  • 成長型のマインドセットのグループ
    『知性も才能も努力によって伸びると考え、先天的なものがどうであれ、根気強く努力を続ければ、自分の資質をさらに高めて成長できる』と信じているグループ

【テストの内容】
5つの並んだアルファベットの真ん中の文字をただ答える。
例)BBBBB(答えB)、BBGBB(答えG)

シンプルなテストですが集中力が欠けてくるとミスが出始めます。

【結果】
ERNに関しては、固定型マインドセットと成長型マインドセットの両方に強く反応がありました。これは『間違えた!』と思った反応なので、ここでは差がありません。

Peに関しては大きな違いがでました!
成長型マインドセットの反応が、固定型マインドセットに比べてはるかに強かった。中でも固定型の傾向が最も強い被験者と成長型を比べると3倍の差があった!

固定型マインドセットの被験者は『間違いに注目していなかった』。むしろ無視していたと言ってもいいほどに。

一方、成長型マインドセットの被験者は間違いに注目していた。この実験では『Peの反応が強い被験者ほど、失敗後の正解率が上昇する』という結果も出たそうです。

本書では、モーザーの実験結果の『失敗後の姿勢』について、下記のように書いてあります👇

個人でも組織でも、失敗に真正面から取り組めば成長できるが、逃げれば何も学べない。考え方の違いは脳波に如実に表れるのだ。

あなたは『失敗から学べる人』『失敗から学べない人』どちらでしょうか?🤔

『失敗の科学』まとめ~失敗を受け止めて改善しよう~

本日は失敗に不安を感じている人に対して、失敗に肯定的になってもらうように、書籍『失敗の科学』にもとづいて紹介しました!

本日のまとめはこちら👇

本日のまとめ
  • クローズド・ループ現象は失敗の改善に取り組む上で大敵になる!
    クローズド・ループとは『失敗や欠陥にかかわる情報が放置されたり曲解されたりして、進歩につながらない現象や状態を指す。』
  • 個人の失敗を厳しく罰しない!ミスを報告しやすい環境を作ることが大事!
    罰を厳しくすると、人はミスを隠す。大事なのはミスが起きたら、すぐに報告しやすくする環境作り。
  • 成功するためには、失敗は欠かせない!失敗に真正面から取り組むことが大事!
    マイケル・ジョーダンもエジソンも、失敗を繰り返しながら成長していきました!失敗を恐れずに挑戦しましょう!

もちろん失敗は起きて欲しいものではないでしょう。自分のように『失敗しないか不安な人』ならなおさらです。

特に医療業界での失敗は、患者の命にかかわるものです(航空業界だったり、他の業界でも命にかかわることはあります)。

だからこそ、失敗が起きた時に隠したり、そもそもなかったことにしていると、また同じミスを繰り返してしまいます!

失敗から学んで、より良い方向に取り組んでいけるように、あなたも失敗に対する考え方を変えてみませんか?(^^)/


本書では、他に紹介しきれなくらいの事例を小説のように読みやすく紹介されています。

もし興味がありましたら、ぜひ本書を読んでみて下さい!

現在2023年5月16日では、『失敗の科学』はKindle Unlimited で読み放題です!本が好きなかたはいかがでしょうか?

それではまた👋

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